Duplicatorでサーバーを移転する方法
「Duplicatorでテストサイトを作る方法」、「Duplicatorで公開サイトを復元する方法」に続き、 第3回目はDuplicatorの使い方完結編として「サーバーを移転する方法」を説明します。
サーバーを移転する方法は、テストサイトを作る方法と公開サイトを復元する方法を組み合わせて移転作業を行います。これらの方法を理解していることを前提に説明していきますので、「Duplicatorでテストサイトを作る方法」と「Duplicatorで公開サイトを復元する方法」をマスターしていない方は、これらの記事を先に読んで下さい。
目次
1 初心者でも簡単にサーバーを移転する方法
1-1 手順の確認
1-2 DNS情報を書き換えてから移転する時の問題点
2 hostsファイルを使用して移転先サーバーに接続する方法
2-1 hostsファイルとは?
2-2 hostsファイルの書き換え方
2-3 hostsファイルを使用したサーバー移転の手順
3 サーバー移転に伴う注意点
1 初心者でも簡単にサーバーを移転する方法
1-1 手順の確認
レンタルサーバーを A 社からB 社に変えるには、
1. A社のサーバー内でDuplicatorで情報を抽出
2. B社のサーバー内に installer. php とArchive. zipファイルを保存
3. Duplicatorでinstaller. phpを開きサイトを複製
という手順になります。
Duplicator を使用するには、ドメインがDNSに登録されてWeb接続できる必要があります。ですから、
1の段階は、DNS情報がA社に指定されている必要があります。
2の段階は、A社又はB 社のどちらが指定され ていても支障ありません。
3の段階は、DNS情報がB社に指定されている必要があります。
この DNS情報のフローに従ってサイトを移転する方法が、最も簡単な方法です。
1-2 DNS情報を書き換えてから移転する時の問題点
最も簡単で確実な方法ですが、問題点もあります。
DNS の情報が A社からB社に書き替えられ るまで 1時間程度。更にその情報がプロ バイダー各社に浸透してWeb上で接続できるようになるまで最大で72時間かかります。(普通は数時間程度)
サイト管理者が利用しているプロバイダーが新しいDNS情報を取得してB社のレンタ ルサーバーに接続するようになるまで、サイトに接続できないためDuplicatorで復製することができないという点です。(静的なHTMLページをアップロードしておけば、何も表示されないという事態は防ぐことができます。)
この点を許容できるなら、特にリスクもなく手軽に行なえるサーバーの移転方法です。
しかし、会社やお店のホームページ、収益性を重視しているアフェリエイトサイトは、 ホームページやサイトが表示されない事態が発生することは限り避けたいですよね。
そのようなサイト管理者の方は、次に紹介する方法でサーバーの移転を行って下さい 。
2 hostsファイルを使用して移転先サーバーに接続する方法
2-1 hostsファイルとは?
hostsファイルとは、DNSの代わりにホスト名とIPアドレスの紐付けを指定するもので、 自分が使用しているパソコンの内に在存し、そのパソコンのみ参照されるシステムフ ァイルのことです。
ローカル環境にhostsファイルが在存する場合、DNS情報を問い合わせる前に参照されるため、hostsファイルの設定が優先されます。
DNS情報を変更する前に、パソコン内のhostsファイルを書き替えて移転先サーバーに接続し、 Duplicatorでサイトを複製してからDNS情報を変更することが可能になるので、サイトが表示されない(静的なHTMLを除く)事態が発生しません。
特別に難しいという訳ではありませんが、システムファイルを書き換えるため多少のリスクは発生します。
2-2 hostsファイルの書き換え方
hostsファイルの保存場所
Windows(7以上)
C:\\\\ Windows \\ system32 \\driver \\ etc \\ hosts
Mac OSX
\\ private \\ etc \\ hosts
hostsファイルはテキストエディタで編集することができます。
書き方も簡単で
IPアドレス(半角スペース)ホスト名
と書くだけです。
IPアドレスは、自分がプロバイダーに接続しているIPアドレスではなく、移転先サーバーのIPアドレスです。
例えば、easy-wordpress.workのサーバーIPアドレスが 12.34.56.78 だったとすると
hostsファイルには
12.34.56.78 easy-wordpress.work
と記述します。
2-3 hostsファイルを使用したサーバー移転の手順
サーバー移転の手順を確認します。
1 B社のレンタルサーバーに申し込む。
2 B社のサーバーにinstaller.phpとArchive.zipをアップロードする。
3 hostsファイルを書き換える。
4 ブラウザーでinstaller.phpを開き、サイトを複製する。
5 DNS情報をB社に変更する。
6 書き換えたhostsファイルを元に戻す。
新しいDNS情報を取得したプロバーダーから順次、複製が完了しているB社のサーバーに接続するようになるため、サイトが表示されない事態は発生しません。
なお、サーバーのIPアドレスはレンタルサーバーの管理画面から確認できる場合もありますし、分からなければサポートに問い合わせれば教えてくれます。
3 サーバー移転に伴う注意点
DNS情報を書き換えてからプロバイダーに浸透するのに最大で72時間かかります。移転前のサーバーからディレクトリを削除したり、契約を失効させたりする場合は、日数に余裕をもって移転するようにしてください。
また、hostsファイルを書き換えた場合は、DNS情報を変更した後にhostsファイルを忘れずに削除するかコメントアウトするようにしてください。次にDNS情報をサーバーを移転する時に接続できなくなりプチパニック陥るかもしれません。
Duplicatorを使ってテストサイトを作成したり、公開サイトを復元したりした方は、サーバーを移転すること自体難しいことではないと感じていると思います。
アクセス数に応じてより高性能で安定しているサーバーに移転したり、金銭的に運営しやすいサーバーに移転したりする必要が出てくると思います。
しかし、実際に移転しようとすると、失敗してサイトが表示されない事態に陥ったらどうしようと不安からなかなか移転の決心がつかないものです。
お名前.comやムームードメインには、数十円から取得できるドメインがあるので移転の練習用として安いドメインを1つ取得して、手順の確認と自信をつけてから移転することをお勧めします。移転の練習用なので1年で執行させればそれ以上費用が発生することはありません。
参考 「ドメインって何? ドメインの解説と選び方」
また、折角サーバーを移転するなら金銭面だけでなくサブドメインやMySQLの上限数など性能面も確認して安心して使用できるサーバーを選ぶといいと思います。
参考 「初心者必見! サーバーの種類と選び方」
ホームページやサイトを運営していると、テストサイトを作成したり、不具合により復元したり、サーバーを移転したりする機会が発生します。
「Duplicator」をインストールして適切にバックアップファイルを作成しておけば、それらに適切に対応できます。
唯一欠点を上げるとすれば、無料版はバックアップファイルの自動作成保存機能がないことぐらいかと思います。(無料でこれだけの機能が使用できるのですから感謝すべきですが)
マルチサイトや容量が大きいサイト、自動バックアップを希望する場合は有料版を検討してください。
Duplicator、テストサイトを作ったり、サイトを復元させたり、サーバーを移転させたり多岐にわたる使い方ができる大変便利なプラグインです。ボリュームが多いので分かりやすく3部構成で紹介しました。必要に応じて読み返してもらえると嬉しいです。
この記事があなたのお役に立てたら幸いです。
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